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2019.04.09

匠弘堂での宮大工1年目を振り返って──【新卒社員対談】

2018年に高校を卒業し、新卒で匠弘堂に入社した谷本と佐藤。ふたりは出身地も匠弘堂に入った経緯も異なるものの、幼い頃から宮大工になりたいという熱い夢を持ってます。

そんな同い年のふたりに、匠弘堂での1年間の仕事を振り返る対談をしてもらいました。入社当初の思い出から今後の目標まで、たっぷりと正直に語ります!

【プロフィール】

谷本慶介 (写真右 )……香川県出身。普通科高校を卒業後、2018年に匠弘堂に入社。
佐藤賢治 (写真左 )……長野県出身。工業高校の建築科を卒業後、2018年に匠弘堂に入社。

会社見学での社長の熱い語りに惹かれた

佐藤:こうやって向き合って話すのなんだか緊張するけど(笑)、そもそも谷本くんはどうして匠弘堂に入社したの?

谷本:僕は父親の影響で、小さい頃から城巡りとかするのが好きで。物心ついたときから「絶対に伝統建築に関わる仕事がしたい」って思ってた気がする。それで、匠弘堂の見学に来て、ここに入りたいと思ったんだよね。

佐藤:匠弘堂の見学に来たの、偶然同じ日だったよね。僕ももともと鍛冶職人の父親の背中を見て育ってきたから、小さい頃から自分もなにかの職人になりたいと思ってた。

谷本:宮大工はどうして目指し始めたの?

佐藤:中学1年生のときに出雲大社の大改修をテレビで見たのがきっかけで、「うわー、宮大工カッコいい……」と思って(笑)。そこからずっと宮大工になりたいと思ってた。

就職先を考えてたとき、実は1社、ほかの会社の見学もさせていただいたんだよね。でもそこは会社説明が1時間くらいで終わっちゃって、正直もっといろいろ質問したかったのにな……と思った。そのあと匠弘堂の会社見学に来て、横川社長がすごく熱く話してくださるからとにかく驚いたし、嬉しかったのを覚えてる。社寺建築の世界の面白さもだし、匠弘堂の魅力、宮大工としての心構えとか、質問することがなくなるくらい話してくださって……。

谷本:そうだったよね。僕は見学に来たとき、社員の方がみんな若くてびっくりした。職人って自分の親くらいの世代の方ばっかりだと思い込んでたけど、歳が近い先輩もたくさんいるんやな、と思って。あのとき、自分が宮大工として働くイメージが初めて具体的に湧いたな。

初めて、ひとりで仕事を任せてもらえたときのこと

佐藤:入社して初めての現場は、京都市内の圓徳寺さんの改修工事だったよね。最初の頃って、現場の掃除とか解体した木材の積み込みとかが多かったけど、正直辛いなって思ったことはある?

谷本:いや、あんまりない。僕、父親が土木関係の仕事をしてるんやけど、昔からその手伝いで現場に駆り出されたりしてて、掃除は慣れてるから。むしろ、土木の現場の掃除って次から次にゴミが出てくるから終わりが見えないんやけど、宮大工の現場の掃除は「ちゃんと綺麗になってきよるな」って分かるけん(笑)、辛くない。

佐藤:なるほどね(笑)。僕も宮大工になるときに、父親に「最初から道具を持たせてもらえるなんて思うなよ。下積みの仕事は決してカッコいいものじゃないけど、職人の誰もが通る道だからな」って言われたのを覚えてて。その覚悟があって入ってきたから、辛い、辞めたいと思うことはこれまでなかった。

でも、だからこそ、圓徳寺さんの次に入った雲龍院さんの現場で初めてノミを使わせてもらえたときは本当に嬉しくて、時間を忘れて作業してたな。先輩たちから見たら木に穴を開けるだけの作業だったと思うんだけど、とにかく丁寧に作業しようと思った記憶がある。

谷本:僕も、初めてひとりで任せてもらった仕事が本堂外陣の荒床板を張る作業やったんだけど、すごく緊張したのをいまでも覚えてるな。

この1年間での自分たちの変化

(ふたりが入社当初からつけている業務日誌の一例)

佐藤:まだ入社して1年だけど、この1年で自分が変わったなって思うところってある?

谷本:本当に些細なことやけど、現場でわからないことがあったときの対処方法が、すこしずつ変わってきたかもって思う。入社した当初は、目上の方と話すこと自体が苦手で、困ったときにも先輩に聞けないまま手を止めちゃってて。でも、当たり前やけど自分から聞くっていうのがようやくできるようになってきた。

佐藤:あー、分かる! 僕も、入社する前はなんとなく、自分は仕事の現場で周りに気を遣ったり積極的に動いたりできるほうなんじゃないかって思ってた……。実際に現場に出てみたら、本当にできないことばっかりで自分にがっかりしたな。

しかも、自分ができなかったことはぜんぶ先輩方が代わりにやってくださるわけで、それがすごく申し訳なかったしもどかしかった。でも、だからこそ「ちゃんと自分で気づこう」「自分から動こう」って前以上に心がけるようになったのは、自分でも変化したところかなって思う。

「見習いとしての責任」を大切に仕事と向き合う

谷本:2年目に入ったばかりやけど、これからの目標ってある?

佐藤:僕はやっぱり、技能競技大会(※全建総連全国青年技能競技大会/全国の青年技能者の技術を競う)に出るのはひとつの目標。

谷本:僕もそう。過去には副棟梁の高橋さんが全国2位で入賞もされてたり、匠弘堂の先輩方は多く挑戦してる大会やから、かなり難しいとは聞いてるけど、挑戦したい。だから、規矩術(材木の形状を計算し加工する、伝統建築特有の技術)の勉強も週末にしてる。

佐藤:僕も規矩術は勉強してる。あと、もうひとつの目標としては、まだまだできることも多くないから、「力仕事だったらこいつに任せられる」って先輩方に思ってもらえるようになること。現場の重いものをなんでも運べるように、筋トレもよくしてる(笑)。

最近よく思うのは、先輩方は仕事の全体を見て動いているけど、自分たちが任せてもらってるのはまだその中の一部だけだっていうこと。だからこそ、その「一部」に関しては、先輩以上に自分が責任を持たなきゃいけないって思う。全体も細部も先輩にカバーしてもらわないといけないなら、そもそも自分がいる必要がないから。そういう、「見習いとしての責任」みたいなものを大切にしながら仕事と向き合いたい。

谷本:うん、本当にそう思う。2年目も頑張っていこう!

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