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2018.10.25

匠弘堂の仕事には、「宮大工の心構え」を教えられる──【玉泉山隨縁寺 御住職×横川社長 対談】

御本堂の新築工事、山門の新築工事、高欄(手すり)の増設工事と、何度にもわたって匠弘堂に仕事を任せてくださっている玉泉山 隨縁寺。

「匠弘堂の宮大工の腕を信頼している」と隨縁寺の御住職、玉川さんは語ります。そんな御住職に、当時を振り返りながら、匠弘堂を選び続ける理由をお話ししていただきました。

◆真宗大谷派 玉泉山 隨縁寺

滋賀県野洲市にある真宗大谷派の寺院。

【プロフィール】
玉川稔さん……玉泉山 隨縁寺 御住職(写真左)
横川総一郎……匠弘堂 代表取締役(写真右)

新しい御本堂が、地域の方々の心のよりどころになるように

玉川稔さん(以下、玉川):匠弘堂さんには、これまで何度もお世話になっていて。困ったことがあったら、すぐに声をおかけしているんです。

横川総一郎(以下、横川):いつも本当にありがとうございます。最初に依頼していただいた御本堂の新築工事は、2007年でしたね。

玉川:そうですね。当時私は住職をしながら中学校の校長をしていたのですが、中学校のPTAの会長さんに瓦屋をされている方がいらっしゃったんです。ちょうど隨縁寺の本堂が老朽化して、建て替えを考えていた頃だったので、その方が紹介してくださった材木屋さんを介して、匠弘堂さんに工事をお願いすることになりました。

工事の前から思っていたのは、隨縁寺が地域の方々にとっていま以上に気軽に集まれる、心のよりどころのような場所になればいいということです。隨縁寺は決して大きなお寺ではありませんから、13軒の門徒さんで頑張ってお金を工面し合い、本堂の新築に踏み切りました。

新築工事にあたってなにより嬉しかったのは、匠弘堂さんが材木の節が出ないように工夫しながら施工をしていただけたことです。吉野檜を使ったこだわりの新本堂なので、見た目にも美しい建物となり、大変嬉しく思っています。当時、工事を指揮してくださった岡本棟梁が「あと10年くらいしたら、ええ木の色になるやろな」と言っていたんですが、実際に10年経って、本当にそうだったなと。

横川:木が少しずつ赤みを帯びてきて、吉野檜の良さが出てきましたね。

玉川:これが本当に綺麗で、満足しています。知り合いのお寺の中には、本堂の改築の際に予算が足りず、一般大工さんに工事をお願いしたというところもあるのですが、普通の住宅とあまり変わらない外観で、外から見ただけではお寺だと分からない仕上がりだったんですね。もちろん、新しいお寺としてそういった形もいいとは思うのですが、私はお寺はお寺らしい雰囲気を纏ったものであってほしいと思うので、匠弘堂の宮大工さんにお願いできて本当によかったと思っています。

「どこにお願いしたんですか」と周りのお寺から聞かれる

横川:御本堂の完成後、2013年には、お寺の入口にあたる山門の新築工事もご依頼いただきましたね。

玉川:山門は、最初は簡素なものでいいと思っていたんです。ただ、横川社長に相談したら、「せっかく作るなら、立派な薬医門にしましょう。予算はなんとかします」と言っていただいて。結果的に、とても立派なものになってよかったです。周りのお寺からも「隨縁寺さんの山門はとても立派だけれど、どこにお願いしたんですか」と聞かれることがあるくらいです。いいものをつくると、本当にいろんな方が見てくれるんだなと実感しますよ。

横川:そう言っていただけるのはなにより嬉しいですね。当時、隨縁寺さんのご要望やご予算を受けてどういった形にすれば一番いいものができるかを、とにかく考え抜きました。たとえば、構造そのものはシンプルにする代わりに、破風板(屋根)の曲線にこだわり、全体として美しいバランスを追究するなど。有馬棟梁ともよく議論し、提案をさせていただいたことを覚えています。

玉川:そうでしたね。匠弘堂さんには、予算の中で最大限の仕事をするというこだわりを見せていただいたと思っています。車が通れて、3台は停められるようにしてほしいといった無理なお願いもしたのですが、それも汲みとってくださって。柱には本堂のときと同じように、国産の立派な吉野檜を使っていただけたのも嬉しかったです。

横川:山門の大扉の取り付けを担当したのは副棟梁の高橋という宮大工です。当時まだ20代半ばだった彼が、数年後に自重で大扉が少し下がることを計算した上で、絶妙な角度で取り付けをしてくれました。今日久しぶりに山門をくぐらせていただきましたが、5年経った今でも、大扉に一切の狂いもでていないのは私も驚きです。

門徒さんたちのことまで考えたご提案をする

玉川:さきほども言ったように隨縁寺は決して大きなお寺ではないですから、予算が潤沢にあるというわけではありません。いまでも少しずつ、気になるところを見つけたら横川社長にお伝えして直していただく、という風にしています。

つい最近は、足を悪くされている門徒さんから「階段に手すりがほしい」というご要望が上がって、本堂の入口の階段に高欄(手すり)をつける工事をしていただきました。

横川:一般の住宅のようにただ木の棒を取りつけるだけ、という工事ももちろんできたのですが、いくつか案を出させていただいた中で、いまの隨縁寺さんにもっとも合ったものをつくることができたのではないかと思っています。

玉川:そうですね。立派なものにしていただけたので、門徒さんたちも喜ばれていますよ。

横川:うちは、依頼してくださった方はもちろん、実際にご寄付をいただく門徒さんたちのことも考えてご提案をするように心がけています。ご予算やデザイン、機能性、材料など、常にさまざまな案をお出しすることを意識しているので、住職さまだけでなく、門徒さんにも喜んでいただけると本当に安心しますね。

脈々と受け継がれる岡本棟梁の教え

玉川:いまお話したように隨縁寺は何度も匠弘堂さんに工事をお願いしているのですが、匠弘堂さんの魅力は、作業そのものがとても丁寧なのはもちろん、現場のみなさんがとても気さくにお話をしてくれるところですよね。それでいて、作業に取りかかるときはみなさん黙々と手を動かしてくださるから、本当に信頼できる。

最初の本堂の工事を担当してくださった岡本棟梁の教えが、いまの若い宮大工さんたちの間でも忠実に守られているという印象を受けます。

隨縁寺では毎月、「折節(おりふし)のことば」と題したさまざまな「ことば」を引用して掲示しているのですが、その中で岡本棟梁の「12の教え」を紹介させていただいたこともあるんですよ。この「宮大工の仕事は感動を届けることや それにはまず 己が感動せなあかん」というのもそうですね。

横川:驚きました。岡本棟梁の言葉をそんな風に伝えていただけること、本当に嬉しいです。

玉川:匠弘堂さんの仕事には、宮大工の心構えのようなものをいつも感じるんですよ。これからも、末永くお付き合いさせていただきたいと思っています。

<了>

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