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[ コラム ]

設計士 宇塚担当

社寺建築観察日記
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2019.06.16

【第2回】東大寺の建築① 法華堂(三月堂)

学生時代、日本建築史の授業で取り上げられた建物で、よく記憶に残っているものがいくつかあります。東大寺法華堂はそのひとつです。
奈良時代の正堂(仏様のための空間)に鎌倉時代の礼堂(人間の礼拝のための空間)が増築されて、今の形になっています。
古代寺院の寺院境内は、仏様のための神聖な場所であり、とりわけ「金堂」は仏様専用の建築でした。
それが、密教の発展とともに、仏様の空間に、人間の礼拝用の空間が合体した「本堂」形式が出来上がってきます。

所在地 :奈良県奈良市
建築年代:天平20年(748)ごろ(正堂)、正治元年(1199)(礼堂)

外観①


正面右手の坂の上からの眺め。異なる形の屋根がつながっている様子わかる。

外観②


二月堂への階段途中から、背面も眺められる。

奈良時代と鎌倉時代の境目

礼堂


内部の変わった架構。大仏様の木鼻、禅宗様の大瓶束など、異なる様式を組み合わせている。

閼伽棚


破風の意匠、虹梁の曲線、長押の木割、繊細な連子窓は、まさに鎌倉時代の意匠。

法華堂は、仏堂の空間が変化する過渡的な様子を示す貴重な建築です。
屋根は、寄棟と入母屋がつながった独特の姿です。建築も国宝、堂内の仏像もすべて国宝に指定されています。
参拝者が少なく、天平時代の空間をゆっくりじっくり堪能できます。

奈良市にお立ち寄りの機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

 

第1回記事はこちら

 

書き手:宇塚(匠弘堂・設計士)

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