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[ スタッフブログ ]

2019.10.16

【愛宕山 照智院 大師堂 新築工事⑦】―屋根工事―

今回は、屋根まわりの工事についてお伝えさせていただきます。

屋根は、言うまでもなく、雨や強烈な日差しから建築を守る機能面での役割があります。
また、社寺建築にとっては、外観の印象を決定づける意匠の根幹ともいえる部分です。

屋根の工事は大まかにいうと、
①小屋組み施工(構造体、骨と筋肉のようなもの)
②野垂木・野地板・防水シートを施工(③を直接支える部分です)
③瓦葺き(瓦のほか、檜皮、杮、銅板などの場合もあります)

という流れになります。

小屋組みは、前回レポートでほぼ完成した状態を見ていただきましたが、屋根が変わっていく過程を見ていただくため、改めて掲載します。

小屋組み完成時の様子

ここに、野垂木を掛けます。

そして、野地板を張り、防水シートを張ります。

向拝の上の部分と本体屋根の部分ですこし段差がついているのがお分かりいただけるでしょうか??(写真のちょうど中央あたり)
この段差、いっさい無い建物もありますし、とても大きい建物もあります。段差がないと、薄っぺらくなってしまいますし、段差が大きすぎると厚ぼったくなってしまいます。
適度な段差できれいに瓦が納まっているかどうか、向拝付建物の見るべきポイントです。

このあと、上棟式を行いました!

 

ここで、瓦葺の工法について少し補足を・・・

昔は、トントンと呼ばれる薄い板を張ることで雨水を防いでいました。
その上に土をのせ、瓦を固定していました。
土葺は、土によって瓦のラインを調整することができるというメリットがあります。
一方で、屋根が重くなる、土の経年劣化によって瓦を固定する力がなくなるといった欠点があります。

現代では、耐久性の向上や屋根を軽くするために、土を使わない「乾式工法」を採用することが多いです。
乾式工法では、野地のラインが直接瓦にあらわれるため、大工の腕の見せ所のひとつです。

いよいよ瓦を葺きます

向拝の登り部分は、原寸図を描くときに瓦が葺きあがった姿をイメージしながら縋破風(すがるはふ)と登裏甲(のぼりうらごう)の形を決めていったのですが、
瓦職人さんがきれいに納めてくださいました!
野地の部分で書いた、わずかな「段差」が瓦に立体感を与えて表情が豊かになっています。

向拝の上のふくらみからどんな印象を受けるか、皆さんよろしければ、いろいろな建物を意識して見てみてください!

次回は、天井や縁などの造作材の施工についてレポートいたします。

 

第1回記事はこちら
第2回記事はこちら
第3回記事はこちら
第4回記事はこちら
第5回記事はこちら
第6回記事はこちら

 

書き手:宇塚(匠弘堂・設計士)

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