[ 工事レポート ]
2019.05.10【愛宕山 照智院 大師堂 新築工事①】 ―計画から材料準備まで―
福岡県田川郡にある真言宗善通寺派 愛宕山 照智院様。
田川郡は有馬棟梁の出身地であり、そのつながりで大師堂の新築工事のご相談をいただきました。
大師堂は、真言宗の開祖である弘法大師空海をお祀りするお堂であり、真言宗寺院の中で、非常に重要な場所となります。
今回から、照智院様の大師堂新築工事の様子を連載形式でレポートします!
計画段階の立面図
今回新築する大師堂は、梁行・桁行とも三間、向拝付、方形屋根、本瓦葺です。
大規模ではなく構造もシンプルな建築ですので、設計図面作成にあたっては、部材寸法や面寸法のバランス、彫刻の意匠に気を配りました。
意匠・構造の見直しを何度も行いながら、設計図面を完成させます。
原寸図 作成
設計図面を元にして、「原寸図」の作成を行います。原寸図の重要なポイントは、実物の大きさで美しく見える事です。そのため、設計図面に書いた寸法を変更・調整する事も多々あります。
型板 作成
原寸図が完成すると、次は「型板」を作成します。型板は、原寸図の形を木材へ写すためのもので、重要な工程です。
同時に材料の調達・製材を進めていきます。
材料は、製材された状態で仕入れることも多いのですが、今回の建物では、一部の材料は、丸太の状態で仕入れ、機械が発達する以前に行われていた伝統的な方法「はつり」で製材を行いました。
「はつり」の様子は、Design Week Kyoto2019レポートにおいても紹介していますので、よろしければごちらもご覧ください。
https://www.kyoto-shokodo.jp/interview/dwk2019_02/
次回は、小屋内部の部材の加工状況をお伝えしたいと思います。
お楽しみに!
書き手:宇塚(匠弘堂・設計士)